更新日:2026.08.24 投稿日:2026.08.24
築45年マンションのフルリノベーション費用は? 1,500万円の実例から見えてくること

「築45年のマンション、さすがにもう古すぎるかな……」
そう感じている方、実は多いのではないでしょうか。でも私は、築年数だけで物件の価値を判断するのはもったいないと思っています。なぜなら、フルリノベーションという選択肢があるからです。
今回は、築45年マンションのフルリノベーションにかかる費用について、1,500万円という実例をもとに、私なりの考えと視点をお伝えしたいと思います。
築45年マンション、リノベーションする価値はあるのか?
まず最初に問いかけたいのは、「そもそも築45年のマンションにリノベーションをかける意味があるのか」という点です。
新築を選べばいい、という声もわかります。でも考えてみてください。立地の良い物件はすでに高値がついていることが多く、新築でその条件を満たすのは、正直なところ簡単ではありません。
一方で、築45年前後のマンションは、価格が落ち着いていることが多く、しかも好立地に建っているケースが少なくないのです。スケルトン(構造躯体)さえしっかりしていれば、内部はいくらでも生まれ変わらせることができます。つまり、物件購入費とリノベーション費用を合わせた「トータルコスト」で考えると、むしろお得になる可能性が十分にあるのです。
1,500万円という数字、高い?それとも妥当?
フルリノベーションの費用として「1,500万円」と聞くと、思わず「高い!」と感じる方もいるかもしれません。私も最初はそう思いました。
ただ、フルリノベーションというのは文字通り、住空間をまるごと作り直す工事です。床・壁・天井の解体から始まり、キッチン・バスルーム・トイレといった水回りの全面交換、電気配線や給排水管の更新、断熱材の見直し、そして内装仕上げまで——すべてをゼロベースで再構築します。
それを踏まえると、1,500万円という金額は、むしろ「これだけで収まるのか」と感じる部分さえあります。工事の内容次第では、もちろんそれ以上になることもありますし、間取りや使用する素材・設備のグレードによって大きく変わってきます。
大切なのは、何に費用がかかっているのかを理解した上で判断すること。ここが、リノベーションで失敗しないための最初のポイントだと私は思っています。
費用の内訳、どこにお金がかかる?
1,500万円のフルリノベーションの場合、費用の内訳はおおよそ以下のような構成になってきます。
- 解体・下地工事:古い内装を取り除き、構造部分を露わにする作業。地味に見えて、全体の基盤となる重要な工程です。
- 水回り(キッチン・バス・トイレ・洗面):設備費と工事費を合わせると、リノベーション費用の中でも特に大きな割合を占める部分です。
- 電気・給排水配管の更新:築30年ともなると、配管や配線の老朽化は避けられません。見えないところへの投資ですが、長く安心して住むためには欠かせません。
- 床・壁・天井の仕上げ:フローリングや壁紙、塗装など、住空間の「顔」となる部分です。
- 窓・建具・収納:間取りや生活動線を左右する部分で、こだわりが出やすいポイントでもあります。
これらをすべて含めると、1,500万円という数字がいかにギリギリのバランスで成り立っているか、なんとなくイメージできるのではないでしょうか。
「安くしたい」の落とし穴
ここで一つ、正直に申し上げたいことがあります。
リノベーションの見積もりを見て「もう少し安くならないか」と交渉するのは、決して悪いことではありません。ただ、削ってはいけない部分があるということは、しっかり意識していただきたいのです。
たとえば、配管の更新を省略したとしましょう。工事費は下がります。でも数年後、壁の中や床下で水漏れが発生したら、そのときの修繕費用は一体どれだけかかるでしょうか。結果的に「節約したつもりが、高くついた」という事態になりかねません。
コストを下げるなら、設備のグレードや内装の素材で調整するのが賢い方法です。構造・配管・電気まわりは、削らない。これが私の持論です。
築45年マンションのリノベーション、実際に住んでみたらどうなのか
リノベーションを終えた築45年マンションは、外見こそ古さが残るかもしれませんが、内部はまるで新築のような快適さを持ちます。いえ、むしろ新築よりも「自分らしい空間」になることが多いのではないでしょうか。
新築マンションは、デベロッパーが想定した「標準的な家族」向けの間取りや仕様で作られています。でも、フルリノベーションは違います。自分の生活スタイル、家族構成、こだわりたいポイントを反映した「オーダーメイドの住まい」が完成します。
寝室を腰壁にしてリビングと一体化、大きなウォークインクロゼット——。そんな選択が、1,500万円という投資の中に詰まっているのです。

リノベーションを考えるなら、まず何をすべきか
「やってみたいけど、何から始めればいいの?」という方に向けて、私からのアドバイスをお伝えします。
まず大切なのは、物件の「構造」をしっかり確認することです。壁式構造か、ラーメン構造かによって、間取り変更の自由度が大きく異なります。また、管理組合の規約によっては、リノベーションに制限がかかるケースもあります。
次に、複数のリノベーション会社に相談し、見積もりを比較すること。一社だけで決めてしまうと、相場感が掴みにくくなります。
そして、何よりも「どんな暮らしをしたいか」を言語化しておくこと。これが一番大切かもしれません。理想のライフスタイルが明確であるほど、リノベーションの方向性がブレず、費用の優先順位もつけやすくなります。
1,500万円は、暮らしへの「投資」だと思う
最後に、私の考えをはっきり述べておきたいと思います。
築45年マンションのフルリノベーションに1,500万円をかけることは、決して「贅沢」ではありません。長く住み続けることを前提にした、暮らしへの本質的な投資です。
安さだけを追いかけた結果、10年後に後悔する住まいより、今しっかり考えて作り上げた住まいで、20年・30年を豊かに過ごす。そちらのほうが、人生においてはるかに賢い選択だと私は信じています。
築年数は、住まいの限界ではありません。リノベーションという選択肢を知っているかどうかで、住まいの可能性はまったく変わってくるのです。